【短答】会計士試験、財務会計論(計算)の勉強法。

2020年5月1日金曜日

t f B! P L
財務会計論の勉強法について、短答式試験に合格した経験から書きます。

はじめに

財務会計論は200点満点で、会計士試験の肝です。その中で、計算問題は、最近は104点分くらい出ています。個別問題で10問、総合問題(連結その他)で4問。私は計算が苦手なのでやはり簿記には苦戦しました。

特徴

なんといっても、論点の多さです。
現金、棚卸資産、有価証券といった古典的()な論点からはじまって、減損会計、リース会計、退職給付会計、税効果会計みたいな鉄板論点があって、引当金や会計上の変更みたいな端っこ論点もある程度は押さえておかないと高得点が見込めません。
それでいて、24点分は連結会計と企業結合会計から総合問題が出てくる。
連結なんて予備校の講義だけで20時間くらいあります。なんですか、この量は。予備校のテキストも簿記だけで他の科目の倍はあるかと思います。ドン引きです。

攻略法

といっても、私自身が簿記は苦手なので、守れる程度の点数を取るための話です。読んでくれた簿記の苦手な誰かが少しでも参考にできるように。そもそも、簿記が得意なひとはこの記事読んでないと思いますしね。

①頭を使わなくてもいい論点はしっかりと潰す

現金、棚卸資産、減価償却、有価証券、ソフトウェアあたりは、計算のやり方さえ身についていれば、頭を使わなくても基本的に解けます。ここらへんの論点が出たら凡ミスを防いで、2(16)は出ると思うので、確実に取りましょう。
・現金預金
現金の問題は、「何が現金扱いなのか」が論点です。
郵便切手は、お金として好きなように使えない(手紙にしか使えない)から現金じゃないな。
満期がきた小切手は、銀行ですぐにお金にできるから現金だな。
満期がきていない小切手は、銀行に持っていってもまだ現金にできないな。
自分がつくった小切手が手元に戻ってきたら、預金が動いてるだけで現金は全く動いてないな。
とか。
預金の問題(銀行勘定調整表)は、すべて集めても6パターンの取引しかないです。これを、銀行側で処理するものと会社側で処理するものに分けて、冷静に解いていきます。スタートが銀行側の場合と、スタートが会社側の場合があります。
特に現金預金は過去問そっくりの問題が本試験でも出やすいです。過去問や問題集をよく解いて、パターンを身につけましょう。
・固定資産
定額法・定率法・級数法・200%定率法あたりの電卓上での計算方法がわかれば、手も足も出ないことはないはずです。問題文の耐用年数を見て、電卓に入れる数値を変えるだけですからね。ただ、計算は簡単なのですが、指示が難しかったりもします。
・有価証券
売買目的なのかその他有価証券なのか関連会社株式なのかその他有価証券なのか(株を持つ目的は何なのか)、時価評価をするのかしないのか(いくらなのか)、流動資産なのか固定資産なのか(B/Sのどの区分なのか)、満期保有目的の利息法の電卓上での扱いくらいを覚えておけば、大ハズレすることはありません。ただ、集計は大変な部類です。何個も有価証券が出てくるので。
ひっかけとして満期保有は来期に満期が来ると流動資産扱いだったなぁ。とか。
・ソフトウェア
償却方法が、固定資産よりもやや独特。
均等配分額は、「3年(〜5年)かけて、必ず資産の額を0にする!」がベースです。
見積りの変更は、「変わった瞬間から、修正する!」をベースに考えましょう。

②出題頻度の高い論点を、可能な限り潰していく

リース、減損、税効果、退職給付、ストックオプション、外貨換算、キャッシュフローなどです。これらは4回あれば2回は出てくる論点です。論文でも出やすいので、満を持して戦いましょう。ちなみに私は、前半の4つのことを四天王と呼んでいます。よく出るので。
過去問のまるごと焼き直しはあまり出ないので、テキストベースで抑えていくのがいいと思います。ちなみに自分は外貨換算が嫌いです。1論点くらいは苦手を作ってもいいでしょう。
7論点から4問出たとして、1問は難しいかもしれませんから、3問は当てたいです。これで24点程度は確保。
・リース会計
簿記の勉強において比較的早期に出てきて、割引価値を使うため、会計士試験における第一の難関というイメージです。
移転か移転外か、リース資産がいくらなのか、割引率はなにを使うのか、支払い時の利息の計算、決算時の減価償却の計算などなど、論点がてんこもりです。
さらに、セール&リースバックだと利益が繰延!みたいな話もあったと思います。貸し手まで出てくるとさらにややこしい。ただ、論文でもよく出るので、飛ばすことはできません。
・減損会計
減損するべきであるか?→帳簿価額と割引前将来CFを比べる
減損の額はいくらか?帳簿価額と回収可能価額を比べる
という計算の2ステップを明確に分けましょう。ここをうやむやにするとつまづきます。
そこから、のれんや共用資産があるときの計算(原則法と例外法でそれぞれ4パターンあります)の計算を身につけましょう。
・税効果会計
まず、概念を押さえるところから難関。ただ、基本的に「税金をいま多く払うから、あとで減ることになって、繰延税金資産(あとで税金の支払額が減る)と法人税等調整額(収益側)が出てきがち」と押さえるといいと思います。
そこから、「解消すると、繰延税金資産が減る」、「圧縮記帳は繰延税金負債が出てくる」、「その他有価証券は法人税等調整額ではなくその他有価証券評価差額金」と抑えていく。
・退職給付会計
これはわりとパターン化できます。
期首の退職給付債務と年金資産を拾います。
勤務費用の計算、利息費用の計算、期待運用収益の計算、年金資産の拠出、一時金の支払い、年金の支払いの6パターンの取引を反映させて、退職給付債務と年金資産の期末の数値を出します。ここで、問題文に期末の実績値があるなら、それを拾えばおしまい。
差異の計算は、引当金を出すときにだけ使います。
この文章がわかるようになれば、たぶん解けます。
・ストックオプション
やや苦手。「最終的な費用が総額いくらであるべきか、当期は何ヶ月経過したか、じゃあ月割して費用にしよう、前期までにすでに費用しているものは除こう」が考え方のベースです。
・外貨換算会計
とても苦手。外貨建有価証券の換算、為替予約あたりはまだ解けるのですが、外貨建金銭債権債務はむずかしい。外貨建金銭債権債務って。名前が長すぎる。最初は日本円にしていくらで、最終的に日本円にしていくらなのか、じっくり読み取りましょう。
在外支店と在外子会社は捨て。
・キャッシュフロー計算書
これは得意。特に間接法は、B/SとP/Lからなにを拾うべきかを徹底して覚えれば、サッと解けます。
・純資産会計
仕訳論点ながら、難しくなりがち。というか、集計がめんどいがち。
純資産と純資産仕訳していくので、「で、実質はなんだっけ?」みたいな一歩引いた考えができない分、めんどうです。

総合問題で半分の点を取る
連結会計はほとんど100%出るのですから、最低限でも対策しないのはあり得ません。グーが出るとわかっているのに、パーを出さないのはもったいないです。
といっても、簿記が苦手なのに連結なんてもっと苦手!と思われるかもしれません。でも、総合問題で4問出るうちの2問くらいはけっこう簡単だったりします。
以下に、解きやすいものを書いておきます。
・のれん
最初ののれんさえ算定できれば、あとは年度に応じて償却すれば答えが出てきます。
・売上原価
例の複雑な修正仕訳さえきちんと覚えていれば、意外とあっさり算定できます。
・資本剰余金
追加取得か一部売却で資本剰余金が動くことさえわかれば、あとは計算を間違えなければオッケー。
・土地
取得時に時価評価することさえわかれば、それに親会社の土地の金額を足すだけ。連結財務諸表は、親会社と子会社の合算がベースですからね。
とにかく、簡単な前半の問で、12点をもぎ取りましょう。得意でないなら、3問以上の深追いはしなくてもいいと思います。

これだけ取れれば、あとは鉛筆転がしで1問くらいは追加点が入って60点。計算で60点を取れれば十分です。あとは理論で80点取れば140点に乗るので、簿記が苦手な人はこのくらいを目安にしてみましょう。

お問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ