管理会計論

管理会計論の勉強法について、短答式試験に合格した経験から書きます。

特徴

計算は8問(60点)くらい出てくるのが、最近の傾向です。計算7問のこともあるかも。財務会計論の計算が簿記1級をかなり超えているのに対して、管理会計論の計算は、簿記1級との乖離はそこまでないと感じます。
半分取れば30点になります。計算が苦手な人は半分取ることを目指しましょう。残り半分は捨てても大丈夫です。
中途半端に追加点を狙いにいくよりは、簡単な半分を検算したほうがいいと思います。苦手だったからこその、アドバイスです。

攻略法

解きやすい論点と、解きにくい論点が明確に分かれています。個人的な意見ですが、それぞれの分野について、解きやすさをコメントしていきます。
原価計算分野
個人的に一番解きに行くべきだと思うのは標準原価計算かな、と思います。
過去問の焼き直しが多く、計算の流れさえ覚えていれば当てはめで解ける場合が多く、計算量も多くありません。差異の分析とか結局は「実際がいくらで、標準がいくらで」と比べるだけですからね。
連産品も解きやすいですね。「正常追加加工を引く」ことさえ間違えなければ、計算量はそう多くありません。
私はとりあえず標準原価計算と連産品が出たら解きに行くと決めていました。
また、総合原価計算は、パターン度は高いものの、工程別総合原価計算がよく出ます。
計算量が2倍になり、どこかでうっかりミスをするとそのまま失点するので、自分は苦手でした。取れればラッキー、最後に時間があったら解こうと考えていました。
部門別計算も、複数基準になると計算量がめちゃくちゃ多いですし、階梯式だと下書きや配賦先をミスすることが多くて苦手でした。予定配賦だと尚更わけわからん。計算が苦手なので。単一基準、相互配賦、実際配賦なら、時間によっては解くと決めていました。
個別原価計算は、穴埋めや推定が入ると難しいですが、基本的には解きやすいと思います。
ちなみに、総合原価計算のようにボックス図を書いてみると頭がスッキリするというか、勘定連絡のイメージが付きます。普段から、個別原価計算もボックス図で書いてみるトレーニングをしてみましょう。
費目別計算はなんとなく捉えどころのないイメージでしたが、あれって原価計算基準を計算にしただけなんですよね。労務費の問題で「福利費、福利施設負担額、厚生費が労務費なのか経費なのか」という引っ掛けがありますが、きちんと原価計算基準10に書いてあります。

管理会計分野
一番解きやすいのはCVP分析な気がします。P/L(売上、変動費、固定費)を自分で書いたら解決できることが多いので、CVPが出たら果敢に挑みましょう。自分は加重平均の概念が今でもあまりわかりませんが、とりあえず計算のやり方だけは頭に叩き込みました。
また、財務分析は絶対に取りましょう。覚えるだけです。
事業利益、金融収益、インタレストカバレッジレシオ…馴染みがなくても覚えましょう。
また、「負債比率の分母がなんで自己資本なのかよくわからん!総資本じゃないの!?」ってなるかもしれないのですが、ある法則を見つけ出すと一発で覚えられます。とにかく、覚えゲーです。
予算管理は、差異分析が標準原価計算と類似しているので、シナジー効果があると思います。価格差異、数量差異が「数量だけを動かした時に出てくるズレ、残りは価格のズレ」という概念がしっかり頭に入ると、ブレずに点を取ることができます。
意思決定は、短期のはパターン化しにくいのでやや難、長期のはパターン化しやすいのでやや易というイメージを持っていました。
事業部制組織の問題は、いちばん苦手でした。予備校の過去問解説に「問題をこう捉えれば、この解答である。そう捉えれば、この解答である。」みたいに曖昧に書いてあって、無理だと思いました。
直接原価計算は、たまーに出てくるイメージです。「ふつうの原価計算での数値と、直接原価計算での数値を比べよ!」みたいな比較の問題になりやすく、計算量が増えるので苦手でした。自分が受けた回は出てこなかったと思いますが、たぶん出ても解かないかな。
ABCは、解きにいくべきです。ただただ配賦するだけ。

今回は、管理会計論の理論について話してみようと思います。
暗記得意な自分は「暗記しましょう」の一言で終えられるのですが、それだと全くアドバイスにならないので、苦手な人向けに。
自分は、計算は苦手でしたが、理論は満点取りました。

特徴

最近は、8問±1問くらいの理論問題が出てきます。配点は40点前後かな、と思います。計算よりも先に理論を解いたほうが、焦りは少なく計算に取り組めると思います。

攻略法

原価計算分野は、基準の読み込みが大切
どう考えても、原価計算基準が重要。
PDFにして16枚程度で3問は取れるのですから、コスパは最高ですね。
さて、そうはいっても原価計算基準、古くて固くてとにかく読みにくいです。はやく現代風に改定してほしいところですね。
一つの文章が長いと、流し読みになってしまって「これは何を言ってるの?」ってなります。気持ちはわかります。予備校の逐条解説すらイマイチ頭に入らないという始末でした。
コツとしては、PDFを印刷してきて、問題集の間違いの肢のひっかけや、気づいたことをどんどん自分の言葉で注釈を書き込むことです。
管理会計分野は、ふつうの感覚で解けるもの多数
「ふつうの感覚から考えて合ってそう」あるいは「ふつうの感覚とズレたこと言ってるな」で判断できることが多いです。
過去問から適当に肢を引っ張ってみました。
管理会計は外部の利害関係者との調整機能を有しているため,管理会計システムの設 計を行う場合,企業内の管理者・従業員のみならず,外部の利害関係者による利用をも 考慮に入れながら設計を行うべきである。
「(内部の)管理(のための)会計なのだから、外部には関係ないでしょ!外部は財務会計でしょ!これはばつ。」みたいな。これは簡単な例ですけど。
もう一問。
最近のわが国における原価企画の概念は拡大化の傾向にあり,開発設計段階における 単なる原価の引下げ活動ではなく,製品の機能向上や戦略的な製品コンセプト作りにまで及んできている。
「うーん。なんか耳に良さそうなこと言ってる。原価企画すごい。原価企画ばんざい。たぶんまる。」こんな感じです。
これで選択肢を絞り込めることが多いので、あまり難しいと考えなくても大丈夫です。

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