財務会計論

財務会計論の勉強法について、短答式試験に合格した経験から書きます。
財務会計論は200点満点で、とにかく会計士試験の肝ですね。計算は最近は104点分くらい出ますね。私は計算が苦手なのでやはり簿記には苦戦しました。

特徴

なんといっても、論点の多さです。
現金、棚卸資産、有価証券といった古典的(?)な論点からはじまって、減損会計、リース会計、退職給付会計、税効果会計みたいな鉄板論点があって、引当金や会計上の変更みたいな端っこ論点もある程度は押さえておかないと高得点が見込めません。
それでいて、24点分は連結会計と企業結合会計から総合問題が出てくる。
連結なんて予備校の講義だけで20時間くらいあります。なんですか、この量は。予備校のテキストも簿記だけで他の科目の倍はあるかと思います。ドン引きです。

攻略法

といっても、私自身が簿記は苦手なので、守れる程度の点数を取るための話です。読んでくれた簿記の苦手な誰かが少しでも参考にできるように。そもそも、簿記が得意なひとはこの記事読んでないと思いますしね。

①頭を使わなくてもいい論点はしっかりと潰す

現金、棚卸資産、減価償却、有価証券、ソフトウェアあたりは計算のやり方さえ身についていれば、頭を使わなくても基本的に解けます。
例えば現金だったら、「何が現金扱いなのか」を過去問や問題集で何度も解けば嫌でも覚えるはずです。
郵便切手はお金として好きなように使えない(手紙にしか使えない)から現金じゃないなぁ、とか。満期が来た小切手は銀行ですぐにお金にできるから現金に入れるんだなぁ、とか。でも、自分がつくった小切手が手元に戻ってきたら現金じゃなくて預金のままだなぁ、とか。
特に現金預金は過去問そっくりの問題が本試験でも出やすいです。
減価償却だったら、定額法・定率法・級数法・200%定率法あたりの電卓上での計算方法がわかれば、手も足も出ないことはないはずです。問題文の耐用年数を見て、電卓に入れる数値を変えるだけですからね。
有価証券なら、売買目的なのかその他有価証券なのか何なのか、目的によって時価評価をするのかしないのか、満期保有目的の利息法の電卓上での扱いくらいを覚えておけば、こちらも大ハズレすることはありません。ひっかけとして満期保有は来期に満期が来ると流動資産扱いだったなぁ。とか。
ここらへんの論点が出たら凡ミスを防いで、2問(16点)くらいを確実に取りましょう。

②総合問題で半分の点を取る
連結会計はほとんど100%出るのですから、最低限でも対策しないのはあり得ません。グーが出るとわかっているのに、パーを出さないのはもったいないです。
といっても、簿記が苦手なのに連結なんてもっと苦手!と思われるかもしれません。でも、総合問題で4問出るうちの2問くらいはけっこう簡単だったりします。
1年目2年目ののれんの数字を聞いて来たら、最初ののれんさえ算定できれば、あとは償却すれば答えが出てきます。
売上原価なんかも、例の複雑な修正仕訳さえきちんと覚えていれば、意外とあっさり算定できます。
追加取得した次の年の資本剰余金は?みたいな問いも、追加取得で資本剰余金が出てくることさえわかれば、あとは計算を間違えなければいいんです。
とにかく、簡単なところで12点程度をもぎ取りましょう。苦手なら、3問以上の深追いはやめましょう。

③出題頻度の高い論点を、可能な限り潰していく
リース、税効果、退職給付、減損、ストックオプション、外貨換算、キャッシュフローなどです。これらは4回あれば2回は出てくる論点です。論文でも出やすいので、満を持して戦いましょう。
過去問のまるごと焼き直しはあまり出ないので、過去問よりもテキストベースで抑えていくのがいいと思います。ちなみに自分は外貨換算が嫌いです。1論点くらいは苦手を作ってもいいでしょう。
7論点から4問出たとして、1問は難しいかもしれませんから、3問くらいは当てたいです。これで24点程度は確保。

ここまでで52点くらいは取れる計算です。これだけ取れれば、あとは鉛筆転がしで1問くらいは追加点が入って60点。十分です。あとは理論で80点取れば140点くらいは取れるので、簿記が苦手な人はこのくらいを目安にしてみましょう。

財務会計論200点満点のうち、12問(96点)程度は理論からの出題です。
理論分野は暗記が効くので、暗記が得意な自分にとっては得点源でしたが、あくまで苦手な人に向けてのアドバイスをば。

特徴

古典的な論点と、各会計基準の論点があります。

攻略法

古典的な論点は得点源に
まず、財務諸表の一般的な話(企業会計原則、資産や収益の総論、概念フレームワーク、会計公準など)が3問くらい出てきます。
これらは難しくなることは基本的になく、予備校の授業でやった内容を素直に聞いてくるので、消去法を駆使して貪欲に取りにいきましょう。24点は来ますね。
ちなみに、概念フレームワークは過去問すべての肢を合計しても今のところ80問くらいしかありません、かなりコスパがいいです。個人的にLECのサイトで売っている短答問題集がおすすめです。過去問すべての肢が載っているのは本試験をイメージするのに最適です。
各会計基準の論点は難しい論点は切るのもあり
リースとか、減損とか、退職給付とか。これらは、計算が出るなら理論は出ない、理論が出るなら計算は出ない、みたいな傾向があると思います。
9問くらい出るうち、7問を取ればとりあえず合格点です。
どこを攻めればいいというのはあまり意識しても意味ないと思います。ただ、難しい論点というのは存在するので、そこは意識して手を抜くのもありかもしれません。
例えば、企業結合・事業分離会計。食う側と食われる側の2種類の会社が出てきます。また、個別と連結でも処理が違ったり、文章も長くて難しいです。しかも問題20とか後半に出てきて「もう疲れてるのに読めるか!」ってなりますね。そもそも計算が難しいので、それを前提にした理論も難しいです。短答だと手薄になりがちなので、飛ばすのも正直ありかな、と。
また、金融商品会計も厄介です。問題の幅が広くて、細かいところからもバシバシ出てくるので、覚えたところで出なかったり、手を焼いた記憶があります。
難しい論点は、難しいです。他の簡単な問題を取りましょう。
読んだことのない文章は、正直出る
各会計基準の問題でも、実務指針という細かいところから出てくることがあります。
読んだことのない文章が混ざっていたら、他の肢から、消去法で解きましょうという合図です。「うわ、聞いたことない!わからん!」で投げ出すのは、もったいないです。

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